斎藤工さんが主演を務め、上野樹里さんがヒロイン役で出演するNetflixドラマ『ヒヤマケンタロウの妊娠』。
坂井恵理さんよる同名コミックが実写ドラマ化されたもので、男性が妊娠・出産するというフィクションの世界を描いた作品です。
斬新な設定で人気の作品ですが、海外を中心に「気持ち悪い」などの批判が集まり炎上状態となっているようです。
今回は、『ヒヤマケンタロウの妊娠』に対する批判の声や、炎上している理由をまとめてお届けしていきます。
【炎上】「ヒヤマケンタロウの妊娠」に海外からバッシング?
「ヒヤマケンタロウの妊娠」のあらすじ・概要
『ヒヤマケンタロウの妊娠』は、坂井恵理さんによる日本の漫画作品です。
引用:クランクイン!!
講談社『BE・LOVE』にて2012年17号より同年23号まで連載され人気を集め、続編として『ヒヤマケンタロウの妊娠 育児編』が同誌2019年9月号より2020年10月号まで連載されました。
簡単なあらすじはこちら▼
ある日、桧山健太郎は妊娠検査薬で妊娠が発覚する。その後、産婦人科で検査を受け、胎内の赤ちゃんが10週目-12週目であることを告げられる。出勤の際、同じ電車を使う妊婦の女性から一緒に乗ることになった。そして桧山は、葛藤は続くものの、中絶せずに出産を迎える。
引用:Wikipedia
仕事もプライベートも順風満帆な毎日を送っていたエリート広告マンが、まさかの妊娠により社会に潜む不公平や偏見を目の当たりにしてゆくという作品。
「女のみならず男も妊娠する世界」というフィクションの世界を舞台にすることで、セクシャリティによる差別問題などを取り上げています。
実写ドラマは、2022年4月21日にNetflixにて全世界配信がスタートしました。
「ヒヤマケンタロウの妊娠」への日本のネットの反応は
まずは、日本でのドラマ『ヒヤマケンタロウの妊娠』の反応を見てみましょう。
- ツッコミどころがないわけじゃないけど、面白かった。
- 男女逆転の思考が伝わる作品で良いと思う。
- サクサク観られる割に、色々考えさせられる作品だった。
- 差別や偏見など、今の日本社会の縮図のようなドラマだった。
- モヤモヤっとする表現もあったけど、斎藤工の演技が良かった。
- 本当に良かった、全人類に観てもらいたい。
- 思ってた感じとちょっとちがったけど中々面白かった。
- うーん、流石に気持ち悪い。
一部批判的な意見もありましたが、レビューなどを見ると9割がポジティブな評価でした。
「ヒヤマケンタロウの妊娠」への海外のネットの反応は
続いて、海外での反応を見てみましょう。
- 配信予告の案内メールを見て、解約を決意しました。
- この作品の告知を見て、Netflixが落ちぶれた理由がよくわかった。
- Netflixは今後数か月でさらに2百万人を失うと予想します。
- この不愉快なものを止めてください。 LGBTQがそれについてどれほど懸命に見ても、これは不可能です。
かなり批判的な感想が多いです。
また、Netflixでの配信開始翌日の2022年4月22日には、トランプ前大統領の息子で実業家のドナルド・トランプJr.がこんなツイートをしました。
Netflix: we can’t figure out why we’re hemorrhaging hundreds of thousands of subscribers.
Also Netflix: pic.twitter.com/sDGqiXL75l
— Donald Trump Jr. (@DonaldJTrumpJr) April 21, 2022
Netflixは「なぜ登録者数がどんどん減っているのか理由がわからない」と言いながら、またこんなドラマを…
このツイートはたちまち拡散され、炎上状態に。
『ヒヤマケンタロウの妊娠』についても、作品への非難と同時にNetflixへの批判につなげているようです。
【炎上】ヒヤマケンタロウの妊娠に批判殺到の理由
日本では賞賛の声が多い中で、海外を中心に炎上している『ヒヤマケンタロウの妊娠』。
ここでは、なぜ炎上するまで批判が集まっているのかを考察していきたいと思います。
理由①設定が気持ち悪い?
引用:Netflix
海外の反応の中には「気持ち悪い」という意見もありました。
日本でもごくわずかですが「気持ち悪い」との声があるため、フィクションの世界とはいえ男性が妊娠・出産するという設定を受け入れられない方もいたようです。
作品中では、女性が妊娠した時同様に、嘔吐などのつわりの症状、腹部の膨らみ、母乳などの描写描かれています。
男性の体に起こり得ないことをリアルに描いていることなどが「気持ち悪い」という感想に繋がっているようですね。
理由②トランスジェンダー=左寄りの作品の認識
海外、特にアメリカでの批判の声を見ると、コメントに「Woke」というワードが頻出しています。
「Woke」とは、保守層の間で『反差別に目覚めた意識高い系の左翼たち』という意味でよく使われている言葉で、人種差別問題や性差別問題に対して敏感に振る舞う人々を揶揄する俗語です。
『ヒヤマケンタロウの妊娠』では男女が入れ替わる設定ということで、近年過敏になっているポリコレ嫌悪の感情が入っているようにも見えます。
作品をちゃんと見ていない人の中には、トランスジェンダーを取り上げたものと受け止めている層も多く、左寄りの作品として捉えられてしまったわけです。
批判している方々を見ると、トランプ支持者が大半のようです。
作品の内容をよく理解せずに、ドラマのカバー写真と概要部分だけで左寄りと判断して袋叩きにしていると考えられます。
理由③Netflixへの批判
海外のネガティブなコメントの多くは、『ヒヤマケンタロウの妊娠』そのものの評価だけでなくNetflixへの批判も混ざっています。
海外では以前よりNetflixでの配信作品に批判が集まったり、解約運動が進められてきました。
批判の理由はさまざまですが、ポリコレ圧力による不自然な設定や配役などが進められていることに関する声が目立っています。
米テスラCEOとして有名な起業家イーロン・マスク氏も、近年のNetfliの株価下落に触れ「“woke mind virus”がNetflixを見るに堪えなくしている」とコメントするほど。
Netflixで配信されている作品には、他の媒体で配信するものよりも厳しい目が向けられていることは間違いありません。
本来であれば、Netflixへの批判と作品自体の評価は別物のはずですが…
『ヒヤマケンタロウの妊娠』という男女の性別が逆という、ポリコレの議題にあげやすい分かりやすい要素のある作品を、Netflixを叩く材料として利用したいだけにも見えますね。
理由④有色人種への差別
今回の炎上騒動についての日本の報道の中には、有色人種への差別という指摘もあがています。
『ヒヤマケンタロウの妊娠』の海外での批判の声は、そのほとんどが明らかに作品を見ていない人ばかり。
また、男性が妊娠するという設定は過去に公開されたハリウッド映画にも存在します。
引用:Amazon
1994年に公開された映画『ジュニア』は、アーノルド・シュワルツェネッガーが妊娠した男性を演じたコメディ映画。
この映画には特に批判的な声が集まったことはありませんので、今回の『ヒヤマケンタロウの妊娠』への批判には有色人種への差別という根強い問題も関わっていると考えられます。