横浜市長選で初当選した、横浜市立大の元教授・山中竹春さん。
注目が集まっていますが、ネット上では
- パワハラ
- 経歴詐称
- イソジン会見
など、多くの疑惑があがっているようです。
今回は、山中竹春さんにまつわる疑惑をお届けしていきます。
この記事で取り上げている疑惑はあくまでもネット上の情報を元にしたものであり、疑惑が事実だと断定しているわけではありません。

山中竹春って何者?
山中竹春のプロフィール
- 本名:山中竹春(やまなか・たけはる)
- 生年月日:1972年9月27日
- 出身地:埼玉県秩父市
- 家族構成:妻、長男、猫2匹
- 趣味:ジョギング、そば・うどんの食べ歩き、ラグビー(ラグビー部出身)
山中竹春の学歴
山中竹春さんの出身校は以下の通りです。
- 秩父市立秩父第一中学校
- 早稲田大学本庄高等学院(偏差値76)
- 早稲田大学政治経済学部卒業(偏差値70)
- 早稲田大学理工学部数学科卒業(偏差値65)
- 早稲田大学大学院理工学研究科修了
高校時代はラグビー部に所属していました。
早稲田大学政治経済学部在学中にデータサイエンスの方法論に興味を抱き始め、1995年に卒業後、数理を学ぶため早稲田大学理工学部数学科と早稲田大学大学院理工学研究科数学専攻で学び、データサイエンスを専門としていたそうです。
山中竹春の経歴
山中竹春さんの公式サイトやWikipediaに記載されている、大学卒業後の経歴は以下の通りです。
- 2000年:九州大学医学部附属病院(現・九州大学病院)の文部教官助手に就任
- 2002年:アメリカ国立衛生研究所(NIH)の所属機関に留学
- 2002〜2004年:アメリカ国立衛生研究所(NIH)のリサーチフェロー(研究員)を務める
- 2003年10月:博士号(理学、早稲田大学)を取得
- 2004年〜2005年:先端医療振興財団(現・神戸医療産業都市推進機構)の研究員を務める
- 2006年:国立病院機構九州がんセンター室長に就任
- 2012年〜2014年:国立がん研究センターの室長、部長などを務める
- 2014年:横浜市立大学医学部教授に就任
横浜市立大学医学部の教授に就任してからは、データサイエンス学部設置準備委員会委員長として同学部と大学院の設置に尽力してきました。
そのおかげもあり、2018年には同大学にデータサイエンス学部と大学院が設置されました。
これまでの役職は、横浜市立大学内では、2018年に特命副学長、2019年に学長補佐、2020年に大学院データサイエンス研究科長などに就任。
学外では内閣府と文部科学省の委員会委員、日本癌治療学会、日本計量生物学会、日本統計学会、日本医療安全学会、稲門医師会で理事・評議員・委員などを務めてきました。
山中竹春のパワハラ・アカハラ音声がヤバイ?
2021年8月2日、「FLASH」の電子版が山中竹春さんのパワーハラスメント、アカデミックハラスメント疑惑を報じました。
記事の内容は、横浜市立大学を退職する前に、山中竹春さんが高圧的な言動で複数の部下を退職に追い込んだというもの。
同日、山中竹春さんは自身のWEBサイトにて「事実無根の報道」と抗議を表明。
しかし8月17日には、元検察官で弁護士の郷原信郎さんが自身のYouTubeチャンネルにパワハラ被害を受けたと証言する人物が録音した音声データを公表しました。
8月18日にはジャーナリストの及川健二さんは情報サイト「ニュースサイトしらべぇ」に記事を寄稿し、山中陣営が音声データの声は山中であると認めたことを明らかにしました。
山中竹春の経歴詐称疑惑とは
パワハラ疑惑の他に、山中竹春さんには経歴詐称疑惑があります。
リサーチマップの削除
横浜市長選に出馬することが話題になり始めた段階で、山中竹春さんはリサーチマップで後悔していた内容を削除しています。
研究者が業績を管理・発信できるようにすることを目的としたデータベース型研究者総覧のこと。
削除したリサーチマップの経歴をGoogleのキャッシュで確認すると、
「2002年 – 2004年米国国立衛生研究所 (NIH) リサーチフェロー」
との記載があったようです。なぜ出馬前に削除をされたのかは謎のまま。
選挙ではその経歴をアピールしていますし、関連性がないから削除をしたとは言えないようです。
東京大学押川教授も「違和感あるなあ」と指摘しています。
横浜市長選に出馬の山中竹春氏、前横浜市大教授のデータサイエンティストということで、researchmap(研究者データベース)を見てみたら、最近まで山中氏のページが存在していたのに削除されている!
researchmapは退職しても継続して利用できる↓ので、削除はその人の自由とは言え、違和感あるなあ。 pic.twitter.com/RuysjcXYBz— Masaki Oshikawa (押川 正毅) (@MasakiOshikawa) July 24, 2021
著書との矛盾点
山中竹春さんは、学歴について
- 1995年:早稲田大学政治経済学部卒業
- 2000年:早稲田大学大学院理工学研究科修了
としています。
それだけを見ると、政治経済学部を卒業後、大学院に5年間在籍し、修士課程・博士課程を修了したという流れが考えられます。
しかし、一方で2008年出版の数学の専門書の共著書(「一般化線形モデル入門 原著第2版:2008年」)では、
- 1998年:早稲田理工学部数学科卒
とされており、公表されている情報と違いがありました。
この情報が本当だとすると、大学院在学は2年で、修士課程しか出ていないことになります。
そして、山中竹春さんの博士号は「大学院博士課程で取得したものではなく「論文博士」であり、2003年5月に審査を受け、同年10月に審査結果が出たものです。
「NIHリサーチフェロー」というのは「博士号を取得し、期間限定で更新可能な任命を受けているNIHの有給の職員」という意味。
つまり、修士課程しか修了しておらず、博士課程は出ていないのだとしたら「NIHの職員」リサーチフェローの経歴があったとは考えにくいのです。
横浜市大教授採用自体への影響も
弁護士の郷原信郎さんは、この経歴の矛盾点について、横浜市大教授の採用にも影響があるのではないかと指摘しています。
「NIH リサーチフェロー」の職にあったとすれば、研究歴にとって極めて重要な意味を持つものであり、2014年に、横浜市大医学部教授に採用された際も、履歴書に「NIH リサーチフェロー」と記載していた可能性が高い。医学部には山中氏のような生物統計の専門家はほとんどいなかったので、採用に当たって、山中氏の経歴の中の「NIH リサーチフェロー」は決定的な意味を持ったと考えられる。
もし、山中氏が、「NIH リサーチフェロー」を詐称していたとすると、横浜市大医学部教授の採用自体にも疑義が生じることになる。
引用:選挙ドットコム
教授採用の際に提出された履歴書等についても調査すべき、と切り込みました。
この件について、まだ山中竹春さん側からの説明は出ていません。
弁明のnoteも削除される
経歴詐称疑惑を受けて、「山中竹春さんを応援する医療者の会」が2021年8月18日付で「リサーチフェローってどんな意味?」というnote を公開しました。
そこには、
一般の方に理解されにくい言葉の一つに『リサーチフェロー』があります。
医学系の研究界隈では広く『研究員』という意味で使っています。
専門外の方にはわかりにくいですから、無理して使う必要はないと思います。
といった記載がありました。
弁護士の郷原信郎さんは、リサーチフェローの意味ではなく「山中竹春さんがNIHリサーチフェローだったかどうか」が問題だと指摘。
で?山中さんは「NIHリサーチフェロー」だったのですか、それは間違いだったのですか?問題は、リサーチフェローの「意味」ではなく、山中さんの「経歴」です。本人に聞いてみてください。➡【リサーチフェローってどんな意味?】|山中竹春さんを応援する医療者の会 #note https://t.co/bKNP17zHHW
— 郷原信郎【長いものには巻かれない・権力と戦う弁護士】 (@nobuogohara) August 17, 2021
その後、noteは削除されています。
山中竹春のイソジン会見とは
横浜市長選の際に「候補者の中で唯一のコロナ専門家」とアピールしていた山中竹春さん。
彼にまつわる疑惑を調べてみると、パワハラ疑惑、経歴詐称の他に「イソジン会見」というワードも出てきます。
イソジン会見というのは、2020年8月4日に吉村洋文大阪府知事が開いた会見のこと。
引用:朝日新聞デジタル
吉村洋文大阪府知事は会見で「ポピドンヨード(=イソジン)でうがいをすると、感染症の陽性率が減少する」と語り、物議を醸しました。
イソジン会見のフリップに山中竹春の名前が
吉村知事の発言の根拠になったのは大阪府立病院機構「大阪はびきの医療センター」の研究なのですが、この研究においてデータ解析を担当していたのが山中竹春さんでした。
実際に、会見で吉村知事が使用したフリップには「解析:横浜市立大学医学部 医療統計学 山中竹春教授」と明記されています。
この会見後、ポビドンヨード成分を含むうがい薬が全国で品切れになる一大騒動になりました。
しかしながら、専門家からはその信ぴょう性を疑う声が相次ぎ、そもそも研究はまだ途中にすぎず、同センターの倫理委員会の審査すら通っていない段階だったことが発覚しました。
こうした中で、会見翌日に吉村知事は「誤解されている。予防効果があるとは言っていない。予防薬でも、治療薬でもない」と釈明。
その後、ポピドンヨードが感染のリスクを下げる効果があるのかについての追加情報が出ていません。
そして大阪府はイソジン会見から約1年が経った2021年7月9日に、サイトに掲載している昨年8月4日の知事説明資料から山中教授の名前を削除しています。
資料から名前が削除、会見を開くも…
2021年8月13日、山中竹春さんは記者会見を開きました。
引用:東京新聞
そこでは、2021年6月17日にニュースソクラが配信した「横浜市長選候補山中教授 あのイソジン会見に関与」に関し、「事実と異なる」と異議を唱え、法的措置を辞さないと強く非難しました。
山中竹春さんは会見の中で、大阪府の資料に無断で自分の名前が使用されたと主張。
「自分の名前が大阪府の資料に掲載された経緯は分からないが、無断で掲載されたと認識している」
引用:News SOCRA
しかし、大阪府の健康医療課はニュースソクラの取材に対して、山中竹春さんが主張している無断掲載を明確に否定しました。
「フリップへの山中氏の名前掲載は、知事会見の前にメールで了解を受けていたと大阪府立病院機構大阪はびきの医療センターから聞いている」
引用:News SOCRA
山中竹春さんの名前を会見から1年近くも経った時期に削除したことについては、
「山中氏から健康医療部長に文書で削除を求める要請があったから。フリップを作るにあたってはびきの医療センターが作った資料には山中氏の名前はなかったので整合性をとることした」
引用:News SOCRA
と説明しています。
ニュースソクラは記事の削除には応じず、逆に会見で記事の内容を否定したことを重大な誹謗中傷にあたると考え、会見での発言の撤回と謝罪を求めました。
その後「コロナ専門家」として横浜市長選に出馬をしていた山中竹春さんですが、この件については発言をされてません。